2022/01
令和5年10月1日から、仕入税額控除制度は、請求書等保存方式(いわゆるインボイス制度)に変わります。
取引相手は、相手から適格請求書を受領していない限り原理的には仕入税額控除が出来ないことになります。適格請求書の最大の要点は登録番号が記載されていることです。
◎適格請求書の発行資格
適格請求書の発行資格は、税務署長に「適格請求書発行事業者の登録申請書」を提出して、登録された者に限定されます。課税事業者でなければ登録をうけることはできず、登録後は取消届の手続きをしない限り、基準期間の課税売上高が1,000万円以下となった場合であっても、免税事業者にはなれません。
◎登録申請の受付
登録申請の受付けは、令和3年10月1日から始まっています。令和5年10月1日から直ちに適格請求書発行事業者として振る舞うためには、原則、令和5年3月31日までに登録申請手続きを済ましておく必要があります。
登録番号の取得手続きをしないまま、新制度が始まってしまうと、発行する請求書等に登録番号を記載することができないので、例え消費税額の記載をしたとしても、原理的には、相手は、仕入税額控除することができません。
相手が個人消費者なら問題にならないかもしれませんが、課税事業者だったら、取引上の大問題になりかねません。
◎法人の場合の登録番号
法人の場合の登録番号は、「T」(ローマ字)+法人番号(数字13桁)です。もし、未登録者が登録番号と誤認されるような番号を請求書等に記載していて、それが発覚したら、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処せられる可能性があります。
この罰則は、正当理由のない期限内申告書の未提出についても課せられるものです。偽り申告書の提出に対する罰はもっと重科です。
罰金以上の刑を受けると、最低2年間は登録不可となるので、経済取引において10%の消費税を請求しにくい状態に陥り、事業者としての存続が厳しくなりかねません。
仕入税額控除をする側も、誤って仕入税額控除してしまわないように、登録事業者の番号を国税庁の適格請求書発行事業者公表サイトで適宜確認する必要がありそうです。