小規模宅地特例の経過措置期間が終了して

2021/11

小規模宅地の相続税の特例は、第二の基礎控除と言われるほどの効用があり、広く活用されていました。

その小規模宅地特例は、平成25・27・30・31年と改正がなされ、25、27年改正では、対象面の充実、老人ホーム入居や二世帯住宅における適用要件緩和等であったのに対し、30、31年改正では、次のように厳しい改正となっています。

1.特定居住用宅地等の特例適用対象者で持ち家に居住していない者に係る要件の追加

特定居住用宅地等の特例適用対象者で持ち家に居住していない者に係る要件について、以下の要件が追加されました。

①相続開始前3年以内に、その親族の3親等内の親族又はその親族と特別の関係にある一定の法人が所有する家屋に居住したことがないこと

②相続開始時においてその親族が居住している家屋を過去に所有していたことがないこと

2.貸付事業用宅地等の範囲からの除外

貸付事業用宅地等の範囲から、相続開始前3年以内に新たに貸付事業供用された宅地等が除外されました。

3.特定事業用宅地等の範囲からの除外

特定事業用宅地等の範囲内から、相続開始前3年以内に事業供用された宅地等が除外されました。

これらの3年縛りと云われる改正については、それぞれ激変予防として経過措置が設けられ、特定居住用宅地等については、2年間に限り、施行日前日に相続開始があったとしたら要件充足宅地等となるものは特例適用とされました。

貸付事業用宅地等については、施行日前から貸し付けている宅地等ならば、改正による3年以内との制限の対象外とされました。

特定事業用宅地等については、経過措置はありませんが、施行日前から貸し付けている宅地等ならば、改正による3年縛り制限の対象外でした。

なお、特定居住用宅地等での、被相続人の居住の用に供されていた家屋は、三親等内の親族が所有する家屋であったとしても、制限から除かれています。

貸付事業用宅地等における3年縛りの制限は、事業的規模の場合には、対象外です。

また、非事業的規模の場合の事業供用が3年超か3年以内かは、物件毎の判定になります。

特定事業用宅地等の3年縛りの制限でも、その宅地にて事業の用に供されている減価償却資産の価額が、宅地の相続時価額の15%以上である場合を除く、とされています。

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