2020/4
新型コロナウィルス(COVID-19)の影響によって、国税を一時的に納付できない場合、1年以内の期間に限り、税務署へ申請することにより、猶予が認められることになりました。
さらに、1年を超えて猶予される場合、個別の事情により猶予が認められる場合もありますので、しっかりと確認する必要があります。
◎申請要件について
納税猶予の申請要件は、次のようになっています。
<申請要件>
① 国税を一時に納付することによって、事業の継続又は生活の維持が困難になるおそれがあると認められること。
② 納税について、誠実な意思を有すると認められること。
③猶予を受けようとする国税以外の国税の滞納がないこと。
④納付すべき国税の納期限から、6ヶ月以内に申請書が提出されていること。
令和元年分の申告所得税、贈与税及び個人事業者の消費税の確定申告の納期限は、令和2年4月16日になります。
また、すでに滞納がある場合、または滞納となってから6月を超える場合でも、税務署長の職権によって換価(売却)の猶予(国税徴収法第151条)が受けられる場合もあるとされています。
◎猶予の内容
申請後、税務署において所定の審査がおこなわれ、猶予が認められた場合、納税期限等が以下のように緩和されることになります。
- 原則、1年間猶予が認められます。
※状況に応じて、さらに1年間猶予される場合があります。 - 猶予期間中の延滞税が軽減されます。
- 財産の差押えや換価(売却)が猶予されます。
◎個別の事情による猶予制度の活用
新型コロナウィルス感染症に納税者(家族を含む)が罹患した場合のほかにも、新型コロナウィルス感染症に関連して、以下のようなケースに該当する場合も、納税の猶予が認められる場合がありますので、該当する場合、所轄の税務署(徴収担当)へ相談されることをおすすめします。
<個別の事情に該当する例>
- 災害により財産に相当な損失が生じた場合
新型コロナウィルス感染症の患者が発生した施設の消毒等によって、棚卸資産や備品を廃棄したため、財産に相当な損失が生じた。 - ご本人又はご家族が病気にかかった場合
納税者ご本人又は生計を同じにするご家族が病気にかかったため、国税を一時に納付できない額のうち、医療費や治療等に付随する費用。 - 事業を廃止し、又は休止した場合
納税者が営む事業について、やむを得ず休廃業をした場合、国税を一時に納付でき ない額のうち、休廃業に関して生じた損失や費用に相当する金額。 - 事業に著しい損失を受けた場合
納税者の方が営む事業について、利益の減少等により、著しい損失を受けた場合、国税を一時に納付できない額のうち、受けた損失額に相当する金額
◎申請に必要な書類
納税猶予には、「〔納税・換価〕の猶予申請書」などの必要書類の提出が必要になります。申請に必要な書類等については、最寄の税務署(徴収担当)にご相談ください。