2019/12
所得税の税制改正によって、令和2年分から多くの項目が変更となっていますので、その内容について、確認していきます。
給与所得税控除の引き下げ
給与所得控除額を一律10万円引き下げるとともに、その上限額の適用される給与等の収入金額が850万円に引き下げられ、給与所得控除の上限額は195万円となりました。
また、この改正に伴って、給与所得の源泉徴収税額表(月額標・日額標)等が改正されました。
基礎控除の引上げと上限設定
基礎控除額を10万円引き上げて48万円とするとともに、合計所得金額が2,400万円を超える場合は、基礎控除額が次のとおり逓減し、合計所得金額が2,500万円を超える人は基礎控除の適用はないこととされました。
合計所得金額 | 基礎控除額 |
2,400万円超 2,450万円以下 | 32万円 |
2,450万円超 2,500万円以下 | 16万円 |
2,500万円超 | 0円 |
同一生計配偶者等の合計所得金額要件の引上げ
給与所得控除の引下げにともなって、同一生計配偶者や扶養親族等の合計所得金額要件が、それぞれ10万円引き上げられました。
①同一生計配偶者、扶養親族の合計所得金額要件
⇒48万円以下
②源泉控除対象配偶者の合計所得金額要件
⇒95万円
③勤労学生の合計所得金額要件
⇒75万円以下
配偶者特別控除の合計所得金額要件等の引上げ
給与所得控除の引下げにともなって、配偶者特別控除対象となる配偶者の合計所得金額要件を10万円引き上げ、48万円超133万円以下とし、その控除額の算定の基礎となる配偶者の合計所得金額の区分も、それぞれ10万円引き上げられました。
所得金額調整控除の創設
その年中の給与等の収入金額が850万円を超える人で、次のいずれかに該当する場合には、その年中の給与等の収入金額(収入金額が1,000万円を超える場合には、1,000万円)から850万円を控除した金額の100分の10に相当する金額を、その年分の給与所得の金額から所得金額調整控除として控除することとされました。
①特別障害者に該当する人
②年齢23歳未満の扶養親族を有する人
③特別障害者である同一生計配偶者若しくは扶養親族を有する人
基礎控除申告書等の創設
年末調整において基礎控除の適用を受けようとする場合には、その給与等の支払者に基礎控除申告書を提出しなければならないこととされました。
また、年末調整において所得金額調整控除の適用を受けようとする場合には、その給与等の支払者に所得金額調整控除申告書を提出しなければならないこととされました。